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贈与とは
「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」(民法第549条)と定められています。
つまり、一方が「これを君にあげるね。」と言っても、他方が「そんなん、いらんわ。」と言ったら成立しないのです。
もちろん、贈与の対象が不動産の場合には、法務局に所有権移転の登記を申請して名義を変更します。
贈与税の基礎控除額は110万円しかないこともあり、したがって多額の贈与税が予想されるので、不動産の贈与がなされるのは、特別の控除が認められる、主に次の2つの場合になります。
夫婦間の贈与
- ①夫婦の婚姻期間が20年以上であること、
- ②贈与する財産が居住用の土地や建物であること、
- ③贈与を受けた年の翌年3月15日までに贈与を受けた土地や建物に実際に居住し、その後も引き続いて居住する見込みであること。
以上の条件を満たせば、基礎控除の他に最高2,000万円までの配偶者控除が受けられます。ただし、同一夫婦間で使えるのは一回だけです。(平成23年4月現在)
親子間の贈与
- ①贈与をする親が65歳以上
- ②贈与を受ける子が20歳以上
であれば、『相続時精算課税制度』を選択することができます。
この制度を選択すると、親子間の贈与において2,500万円までの特別控除を受けることができます。
しかし、この制度では、贈与した親が将来亡くなった時の相続税の計算において、相続財産の価額に相続時精算課税制度を適用した贈与財産の価額(贈与時の価額)を加算して相続税を計算することになります。
この制度には不確定な要素が多々あるので、税理士などの専門家に良く相談してから選択することをお勧めしています。(平成23年4月現在)
申告を忘れずに
上記の2つの制度を選択した場合には、いずれも所定の書類を添付して申告をする必要があります。
申告を忘れると一般の贈与とされて、多額の贈与税がかかってくることになります。
以前相談があった事例ですが、ご自分で親子間の贈与の登記を済ませたものの、申告をしなかったため贈与税を500万円もかけられ、あわてて贈与登記の抹消の依頼にいらした方がありました。
せっかく贈与登記をしたのに無駄にならによう申告はきちんとしましょう。
コツコツと時間をかけて贈与する
不動産の贈与をする方の中には、長い時間をかけて毎年少しずつ不動産の贈与をされている方もいます。
贈与税の基礎控除は、年間110万円しかありませんので、贈与税を多少支払う程度の価額に相当する持分を複数年に渡って毎年贈与していくのです。
時間はかかりますが、特別控除が利用できない場合などには、選択肢の一つになります。